僕は50代で早期リタイア(FIRE)をした。
FIREとは、資産収入などを活用しながら(Financial Independence)、会社を早期リタイアし(Retire Early)、自分の時間を自分で決めて生きていくライフスタイルのことだ。
前回は、FIREのメリットとして「時間のオーナーシップ」を取り戻し旅を自由に設計できると書いた。会社員時代は、旅の合間に仕事メールに返信し、早めに帰宅して体力を温存するなど、仕事に影響しないことを優先した。つまり、休暇旅行とはいえ仕事が自分時間を支配するオーナーで、僕はその支配下にあったわけだ。
FIRE後は、時間は100%自分のために使えるようになり、旅も以前より深く楽しめるようになった。
ただ、実際に旅を心底楽しむには、もう一つ大事なものがある。それは「お金」だ。
経済的な不安を抱えながら旅をしても、精神的な安らぎや楽しさは制限される。
ただ、ここで言うお金とは、高級ホテルや贅沢な食事の話ではない。僕がFIRE後に感じるお金の本当の価値は、「旅の選択肢を増やしてくれること」にある。
今日は、お金が旅にもたらす本当の価値について綴る。

一人旅には、一人旅の楽しみ方がある
僕は一人旅も好きだ。誰にも気を遣わず、自分の興味だけで旅を組み立てられる。予定変更も自由だし、気になる店があれば立ち寄り、面白そうな場所があればそのまま足を延ばすこともできる。
ただ、一人旅は自由な反面、意外と難しい。なんとなく目的地へ行くだけでは退屈になるし、人によっては孤独を感じることもある。
だから僕は、一人旅では「自分パズル」を作る。事前に歴史や文化を調べ、その答え合わせを現地でする。街を歩きながら仮説を検証し、自分なりの発見を積み重ねる。そうやって旅にテーマを持たせると、一人旅は一気に面白くなる。
そして、その先にあるのは世界への没入だ。絶景を前にただ佇む。歴史ある街並みを眺めながら考え事をする。そんな時間に僕は大きな価値を感じている。
だから一人旅では、ホテルは最低限で構わない。その代わり、その土地ならではの食や体験、安全性や移動の効率にはお金を使う。
僕にとって一人旅のお金とは、世界に集中するための道具だからだ。
二人旅には、二人旅の難しさがある
一方で、二人旅には別の課題がある。どれだけ仲が良くても、やりたいこと、感動するポイント、食の好み、ホテルに求めるもの、睡眠時間や朝の準備のペースまで、完全に一致することは稀だ。
だから僕は、二人旅で大事なのは「価値観」「感性」「ペース」が大きくズレていないことだと思っている。100%同じである必要はなく、お互いが無理なく協調できる範囲にあることはとても重要だし、それで十分だ。
例えば僕自身、一人旅なら極端な話、テントでも寝られる。でも、それを相手に強制するつもりはない。二人旅なら、快適な宿泊環境そのものが旅の満足度になることも多いので、ホテルで過ごす時間や、ゆっくり食事を楽しむ時間も旅の一部だからだ。
また、友人との旅行でも考え方は似ている。投資仲間との物件見学の旅も、スポーツ仲間との旅も、目的は共有しながらもホテルは別々の部屋にする。
友人との旅なら、ツインルームを割り勘にすることはなく、割高でもシングルルームを取る。お互い、就寝・起床時間などの生活ペースは変えず、気を抜ける時間も持ちたいからだ。
結果として、その方がお互い気楽だし、旅そのものも心地良くなる。
お金は旅の選択肢を増やしてくれる
ここでお金の話になる。
僕にとって、お金の価値は贅沢ではない。旅の目的に合わせて、最適な選択ができることだ。
一人旅なら、ホテルは最低限にして体験へお金を回す。友人との旅なら、割高でもシングルルームを選び、自分のペースを守る。パートナーとの旅なら考え方はまた変わる。ホテルで過ごす時間も旅の思い出になるので、少し良い宿やクラブフロアを選ぶこともある。
どれが正しいという話ではない。旅の目的によって、最適解が変わるだけだ。
サラリーマン時代もお金は使っていた。ただ、その多くは仕事への影響を避けるためだった。多少高くても直行便を選び、帰宅時間を優先し、翌日の仕事に支障が出ないように価格よりも確実性を優先していた。
でも今は違う。お金は仕事を守るためではなく、自分が本当に楽しみたい旅を実現するために使っている。
終わりに
FIREをして思うのは、お金によって増えたのは贅沢ではなくて、選択肢なのだ。
一人旅をするのか、二人旅をするのか。体験を重視するのか、ホテルを楽しむのか。合理性を優先するのか、快適性を優先するのか。その時々の目的に合わせて、自分に合った旅を選べることだ。
FIREによって、前回に書いた「時間のオーナーシップ」を得たこと、「旅の選択肢」を得たこと、それらがリタイア後の旅を豊かにしてくれている。
そして何より、FIRE後は仕事に縛られない(地理的自由も自在に広げられる)結果、自宅だけでなく様々な街やホテルで時間を過ごし、旅と日常の境界線も少しずつ曖昧になってきている。
次回は、年間50〜60泊の旅を続ける中で見えてきた、ホテルとの付き合い方について綴ってみたい。
最後に、僕がFIREをして自由を得たからこそわかったFIREのメリットは、僕のFIRE生活4年間の日記データーベースにそのメリットの実感を綴っている。別のブログであるが関連リンクを置いておく。これは典型的なサラリーマンほど「時間のオーナーシップ(自己決定権)」のメリットをFIRE後に感じるというものだ。
そして、選択肢についての心境を語ったのはこちらの記事です。FIREによって得た自由は、様々な選択肢を自分が変わるたびにもたらしてくれます。
WATARU

























